【認知症】服薬拒否の対応。薬を飲まない人への対処方法

介護する人

必要な薬だから飲んでほしいのに、薬を飲むのを嫌がる服薬拒否。

なぜ、飲んでくれないんだろう?

どうしたら飲んでくれるんだろう?

この記事は、薬を飲まない高齢者に困っている人向けです。
認知症などで、高齢者が「薬を飲んでくれない」ときの対応7つ

先ず、「薬を拒否する理由」を探る

認知症の服薬拒否はとても良くある。逆に、無い方が珍しい。

 

なぜ、薬を飲むのが嫌なのか。健康な私たちには理解できない「飲まない理由」が必ずあったりします。その理由は人それぞれで、しかも、本人に聞いても答えてくれないことがほとんどで、介護する人は観察力と想像力を働かせて、色んな方法を試してみるしかありません。

薬を飲まない理由 7つ

1.本人は「どこも悪くない」と思っている。

2.「毒を盛られている」と思っている。(信頼関係ができていない)

3.何の薬か分からないから、飲みたくない。(必要性が分からない)

4.食後でお腹がいっぱいで、入らない。(タイミングが悪い)

5.のどが痛い。(風邪とか…)

6.その薬の形状では飲みにくい。(錠剤が大きすぎる)

7.ただ、面倒くさいから飲みたくない。

もちろん、この他にも「薬を飲まない理由」はあるでしょう。けど、介護する人が思いつくのはこれくらいしかないかな、と。

服薬拒否対応その1.何の薬か、説明する

「薬を飲まない理由」が上記1~3の「どこも悪くないと思っている」「毒だと思っている」「何の薬か分からない」のようならば、その薬の役割・必要性を説明するといいかも。

 

その説明は、本当のことを言えばいいのですが、もし、その薬がちょっと難しい説明を要するんだったら、嘘になってもいいから、簡単にすると良いです。

 

例えば、「認知症の進行を緩やかにする薬だよ」と説明するより、「元気が出るビタミン剤だよ!」とか、「血圧の薬だよ」言った方が納得して飲んでくれたりします。

服薬拒否対応その2.薬を一緒に飲んで見せる

薬に対する疑いが晴れないようなら、「介護する人が薬を一緒に飲む」という方法があります。その時、介護人が飲むのは本当の薬ではなく、お菓子のラムネなど、薬のような形のものにします。

誰か(信頼してる人)と同じものを一緒に飲むことで、この薬は飲んでも大丈夫なんだ、自分だけが病気じゃないじゃない、という安心感が生まれます。実際、この方法で本当に薬を飲むようになった人もいるので、試す価値ありです。

 

嘘をつくのは、ある意味だましていることになるので罪悪感が芽生えるかもしれないけど、自分を責める必要は全く無いです。「やさしい嘘」は、介護するあらゆる場面で不可欠でして、私なんて、既に大ウソつきです(笑)

服薬拒否対応その3.薬を飲む時間をずらす

「薬を飲まない理由」が上記4の「お腹いっぱいで入らない」ということならば、薬を飲む時間を変えてみるといいかもしれません。

 

私の父が服薬拒否した理由のひとつがコレでした。食後の薬が7種類もあって、お腹いっぱい食べた後に、こんなに入らない!と言われました。「うん、確かにそうだな」と思ったので、少し時間を置いてお腹が空いた頃に再び服薬を促すと、すんなり飲んでくれたことがありました。

 

「食後の薬」は通常、食事のあと30分以内に飲むものと言われていますが、お腹いっぱいじゃ仕方ない。食後1時間後なら飲めるんだったら、それでいいと思います。

服薬拒否対応その4.のどが痛いなら診察を!

「薬を飲まない理由」が上記5の「のどが痛い」ということなら、すぐに病院で診察を受けましょう。

 

風邪気味だったり、いつもより咳をする回数が多いようなら、のどを痛めてしまっているのかもしれません。できるなら、口を大きく開けてもらって、のどが赤くなっていないかチェックします。いずれにしても、早く病院へは行きましょう。

服薬拒否対応その5.薬の形を変える

「薬を飲まない理由」が上記6の「その薬の形では飲みにくい」ということなら、薬の形を変えればOKかもしれません。

 

薬の形は様々で、錠剤、カプセル、粉薬、顆粒、液体、坐薬、貼る、塗る薬など色々あります。錠剤にしても、水なしで飲める「口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)」というのもあります。

 

それぞれの形には理由があって、身体のどこから吸収されるのか、どのくらい効果が続くのか、使いやすいか、安全性を高められるか、など用途によって異なるわけですが、本人が飲みにくい形の薬であるなら、違う形の同じ効果の薬に変えてみるのも一つの手です。

 

飲み込む力の弱い高齢者には錠剤の薬は飲みにくい、と言われています。でも、本当にそうでしょうか? うちの父はにとっては、錠剤より粉薬の方が飲みにくいです。要介護4で、お粥のような柔らかいものしか食べれられない父は、嚥下にも問題があり、何か口にすると高い頻度で咽て、咳をします。

 

当然、薬も飲みにくそうにしてたので、水にとろみをつけたり、服薬用ゼリーを使ってみたり、粉薬にしたりしましたが、結局一番飲みやすかったのは、水+錠剤の組み合わせでした。これに慣れてるからです。

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水にとろみ剤を混ぜたところ、違和感で飲んでもらえませんでしたし、服薬ゼリーに薬を混ぜても(錠剤、粉薬両方試しました)意外と飲めないものです。ちなみに、生クリームに混ぜるのもNGです。のどに生クリームがへばり付きます。

 

私も服薬ゼリーを試してみましたが、口の中で薬とゼリーがはっきりと分離してしまい、先にゼリーだけがのどを通って行き、薬は舌の上に残ってしまいました。粉薬でも、です。介護する人は一度験してみてください。慣れかもしれないけど、結構むずかしい、と分かります。

 

飲んでくれないなら、貼るタイプの薬か、水なしで飲める「口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)」がいいのですが、全部が全部、その形であるわけでもなく…。その人に合った形の薬を模索するしかないです。

服薬拒否対応その6.食事に混ぜる

「薬を飲まない理由」が上記7の「ただ、面倒くさくて飲みたくない」という場合。食事に薬を混ぜたりすることもあります。本人が気づかないうちに服薬してる、作戦です。

 

この方法で上手くいけば良いのですが、薬を混ぜたことで食事の味が変わってしまい、失敗に終わることも多々あります。うちの父は意外と味に敏感で、この方法はダメでした。

服薬拒否対応その7.それでも、薬を飲まないなら

父は頑固な気分屋で、相当手のかかる困ったおじいちゃんです。何をどうしても、薬を飲まい時は飲みません。

そんな時はもう、本人の意思だから「仕方ない」と諦めます。見守るだけです。

 

命に直結するような大事な薬だったとしても、服薬は強制することができません。無理に口の中に薬を放り込み、飲ませようとするのは最も危険で、へたしたら誤嚥して窒息します。

 

たとえ認知症でも、人には自己決定をする権利があります。それを尊重するは介護する人の務めだと介護職の勉強をしているときに教わりました。仮にそれで健康状態が悪化したとしても、それは本人が選択されたことなのです。

まとめ

薬を飲んでくれないと、身体的にも、精神的にも状態は低下するわけで、介護する人にとって余計な苦労が増えてしまいます。

 

うちの父が薬を飲まなくなった時に出る一番困った症状は「妄想」と「幻覚」です。レビー小体型認知症の特徴で、変なことを言い出し、正直、気味が悪いです。

 

夜中に突然目を覚まし、はっきりとした口調で「仕事に行かなきゃいけないのに馬がいない」と言い出し騒いだことがあります。あとは、目の前に母が居るというのに「僕の奥さん、どこ行った?居ないよ」と言ったり、「ベッドの下に蛇がいる」とか。そういう時の父の目は、不気味な感じにイッちゃってます(泣)

 

壊れた親を目の当たりにするは、本当につらいです。心がえぐられ、涙すら出ない感じ。私は何度も何度も、そんな親を見てきました。実親の介護で最大に辛いところは、そこじゃないかな、と思います。

 

対して、仕事での介護でそのような利用者さんを見ても、さほど心は痛みません。決して、一生懸命やってない、ということではなく、仕事は仕事と割り切れます。また、そういうスタンスでないと心が病みますから、介護職は続きません。

 

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